鶴の一声

靏繁樹が日々考えたことや思いついたことを徒然とかきます

*

苦楽

   

 私たちは、普段から、苦楽の「楽」より、「苦」という言葉の方を使うことが多いようだ。
楽と言う言葉は、楽しいとか楽ちんとか、月に1度も使うかどうか分からないが、みんな苦しいことは多いようで、あいさつ代わりに、お金に苦労している、子供に苦労している、明日からどうするか苦心している。これまで苦難続きだったとか。

 ほとんどの人は、何も苦労せずに人生を終えることはないだろう。
 現代では少ないかも知れないが、貧しい家に生まれて、学校も満足に通えなかったとか、こどもの頃から家の手伝いで遊べなかった。人並みに弁当も持っていけなかった。体が生まれつき不自由だったとか、虚弱体質だった。人から不細工と言われ、恋人もできない。運動ができずバカにされた。
 昔の苦労は、経済的な苦労が多かったが、日本が裕福になったからこそ、現代の苦労はやっかいなのかも知れない。

 愛する人に先立たれた。交通事故を起こして人を傷つけてしまった。人に騙されてお金を無くしてしまった。悪い上司にあたってしまった。会社が倒産した。思いもしない災害にあってしまったなどなど、人の苦労話は数知れない。
 仮に、裕福な家庭に生まれ、衣食住に困らず、トントン拍子に就職も、結婚もしたとしても、そんな家庭には、案外苦労させられる子供がちゃんと育つようになっているし、やっかいな親せきな取り巻きが出てくる。
 また、苦労知らずの金持ちだとわかって、持ち掛けられた投資話に乗って破産するというのもよくある話。
 年を取ってからの災難の方が立ち直りは大変だ。
 
 そんな苦労を最後まで苦と思うか、苦労を楽に変えるかは、確かに運や環境の変化もあるかも知れないが、一番は、やはり本人の気持ちの持ちようだと思う。
 その災難や苦労を、そのまま引きずれば、せっかくこの世に生まれたのに、その人の一生が悲しい一生で終わってしまう。
 何か、不運な出来事があったとして、そんな時、気持ちを切り替えるのは、もちろん簡単なことではないが、幸いに、日本は自分の気持ち次第で、生き方を選べる。
 日本に、日本人として生まれただけでも、運がいいのかも知れない。
北朝鮮やイスラムの一部の世界、アフリカの未開の地では、そのチャンスさえ無いのだから。

 例えば、自分なりに頑張ったのに、入学試験に落ちたり、就職が上手くいかなかった、失恋したとというのは、みんなが不通にありうる話。
 当然落ち込むのも当たり前だが、その暗い心を引きずるか、それとも、これが自分の道なのだろう、自分の相手はこの人ではなかったのだと、気持ちを切り替えることができれば、苦しみも薄れ、やがて新しい目標や生き方が生まれる。

 そして、苦しいことを経験した人だけが、本当に人の苦しさもわかる。人の苦しさがわかると、人に優しくなれて、やがては、いい出会いが生まれる。
 何でも、ひとつ悪い方に回り始めると、どんどん悪いことを引き寄せていく。いい方向に回り始めると、それがきっかけでどんどん良くなっていく。ゴルフも一緒。笑

 そのためには、思い込みでも、勘違いでもいいから、自分が、いつも物事をいいように考えるように心がけること、新しい出来事や、新しい出会いを見過ごさず、大切にすること。
 失敗、事故、失恋、肉親縁者の死、起きたことは受け止めて、早く後始末や心の整理をして、残りの人生を活かすこと。それが生活。
 私は、苦労したことで、今の私があると思っている。
だから、経験してきたことを苦労とは呼ばない、修行と呼ぶことにしている。
 苦は苦の源になるが、苦は楽の源にもなる。我ながらいい言葉だ。笑
 
 

 - 信念

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