鶴の一声

靏繁樹が日々考えたことや思いついたことを徒然とかきます

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みかんが高い!

   

 今年のみかんは値段が高い。
特に、年明けの市場価格は過去20年間の最高価格を更に超えている。
 その理由は、全国的に少なかったことに加え、糖度が高く、酸が低いので甘くて食べやすく育った。
年明けに出てくる晩生という遅い品種は、更に生産量が少なかったために高騰した。
 生産者にとっては、少ない年は高くないと生活出来ないから、有難いことだし、生産を続けてもらうためには、そうあらねばならないが、消費者や我々加工業にとっては少し厳しい。

 わが社は、毎年みかんの缶詰を作るのに2000トン以上購入する。
みかん缶詰が主流だった時期は6000トン以上だったから、それと比べれば随分縮小した。
 普通、加工には外観にキズがあったり、形が悪かったり、色むらがあったりする、つまり中身は一緒だが見た目が良くないものを使用するのだが、市場にものが不足すると、普通は加工にまわるものも、そこそこのものは価格が高い青果として出されるようになる。
 そのために、加工用は益々不足する。
ただ、そんなことは毎年のことなので、それなりの手は打って不足の無いようにするのが私の仕事でもある。

 ところが、みかんが少なめで価格が高くなると、その後のかんきつ類も高くなる。
わが社は、国内で唯一、デコポンの加工も400トンくらいやっているが、今年はこれも同じような流れになっている。
 まあ、農産加工と言う者は、農産物つまり自然を相手の仕事のようなものだから、同じ条件で作れる年はまずない。
だから、大変だけど、面白い。飽きることは無い(笑)
 また、独特のノウハウと経験、そして信頼関係が必要なので、恐らく今後、新規参入は無い。

唯一、困るのが、わが社は、何かが少なければ、他の加工を増やすと言う仕組みで乗り切るという形が確立されて、経営難に陥るというようなことはないが、得意先の期待に沿えないのが心苦しい。
 我々は、商売をやっているので、相手のことも考えなければ続いていかない。しかし、生産者は、JAや仲買などに委託販売として売って終わりだから、残念ながら相手のことを考えることはない。全くないとは言わないが。

 我が国の農産物は、年々生産量は減少しており、異常気象で生産量のブレも大きくなっている。
これからは、それを理解して、発注先には、量のある時に多少多めに生産して、量の少ない年の分をカバーするという形を取ってもらいたいのだが。。。。。自社商品はそうしている。
 何事も、備えあれば憂いなし。

 余談だが、みかんには、糖尿病やがんなどを予防するカロテノイドや骨の健康に役立つβクリプトサンチンという優れた成分が含まれていることが発見されている。果物は地球がくれた人間への贈り物なのだ。

 - 社会, 農業

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