鶴の一声

靏繁樹が日々考えたことや思いついたことを徒然とかきます

*

652 都会と田舎

   

都会と田舎、どちらが住みやすいか。

近年、特に平成になってからは、急激に若者が田舎から都会に出て行くようになり、車で走っていても、若者の姿が少なくなったことを実感する。もちろん、結婚適齢期の若者がいないので、子供はもっと激減している。都会では、保育所が足りずに、待機児童の問題が解決しないとお母さんたちが声を上げる一方で、田舎では入所児童が足りずに、保育所は次々に閉鎖に追い込まれ、小中学校はこの10年で半分に集約化が進んでいる。

みんな、都会に出て行くが、都会では庭も駐車場もない狭い部屋で生活しているし、帰ってくると「やっぱり田舎はいい」と言いながら、田舎でリフレッシュして、また都会に帰っていく。

田舎の長短所は、まず空気や水はきれいで、人がゴチャゴチャしていない。樹々も多く、車も少ない。近所付き合いがあり、人もいいし、殆ど知り合い(笑)学校も道路も一人当たりの占有度が大きい。その反面、いろんな地域のイベントや作業に出ることを億劫だという人もいる。世話役も人が少ないので早く回ってくる。文化スポーツ施設や公演、イベントに接する機会が少ない。交通が車に頼らざるえない。家は殆ど1戸建てが可能で、それに家庭菜園もできるほど、土地の価格は安い。都会の100分の1と言っても過言出来ない。動物も小鳥も多いが毛虫も蛇もいる(笑)

都会は、そういう文化施設やスーパー、百貨店は多い。交通も電車や地下鉄網が充実して車は必要ない。住宅は孤独だが、隣人が誰かも知らず、話す必要もない。ただ、多くは長い時間をかけて、満員電車で通勤しなければならないし、間違いなく、排気ガスで空気は汚れている。会社の近くは家賃が高くて住めない。

私は田舎派。まず、あの夏の通勤電車が耐えられない。冬の寒いプラットホームも嫌だ。通勤は20分以内が限度。周りに緑の自然がないと生きられない。田舎は、給料が都会の半分でも十分生活できる。たった1度の人生、私の中では便利さより幸福度が優先する。

結局、両方の中間が一番いい。都市部と田舎の中間点。それがベットタウンと呼ばれる地域だったが、そのベットタウンも人口が増え過ぎて狭苦しくなっている。よく、あんなに似通った住居群に、酔っぱらって自分の家を間違わずに帰れるものだと感心する。まあ、田舎のように鍵もかけない家は無いだろう。

恐らく、これから先、自然と田舎の奥地の住民は、やむなく近くの街の近くまで出てきて住宅群を構成することになるだろう。それでも人里離れた自然の中で暮らしたい人もいるだろうし、都会に生まれて、田舎の良さを知らないまま終わる人もいる。都会で勤めや仕事をリタイヤして、人生の終盤を田舎や島で暮らす人もいる。

都会がいいか、田舎がいいか。その人の生まれや仕事、性格によっても違うので一概には言えない。例えば、都会を華やかで活気に溢れていると感じるか、騒がしくて息苦しいと感じるか。近所付き合いがなく楽だと感じるか、それを孤独だと感じるか。 とにかく、今の都会も田舎も、過度に集約、過度に過疎となったために、残念ながら長所より短所が目立ってきた。それでも私の生き方にとっては間違いなく田舎がいい。恐らく今から都会に出たら、10年は寿命が短くなる(笑)

 - 雑記

  関連記事

鶴の一声
杣人伝 その12
鶴の一声
ISO
鶴の一声
映画
鶴の一声
要領
鶴の一声
8月が終わる
鶴の一声
624 改元の年
鶴の一声
杣人伝 その33
鶴の一声
海外研修生2
鶴の一声
 杣人伝 その22
鶴の一声
675 不便な便利