鶴の一声

靏繁樹が日々考えたことや思いついたことを徒然とかきます

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610 学校の統廃合

   

 私の住んでいる福岡県南部の八女市立花町は、元々、白木・北山・光友・辺春という4校区が合併して出来た町だが、それがまた、10年程前に、旧八女市と上陽町が合併した八女市と黒木町・矢部村・星野村と合併して、新八女市になった。
 その合併の度に、小学校や中学校が統廃合されてきた。
立花町に5校あった小学校は2校に。中学校も3校が2校。
 同じように、他の校区も、ほぼ半分に減っているが、更に統廃合は進むと思われる。

 学校の生徒数が少なくなりすぎると、生徒数に対する先生のアンバランスや、体育会や運動部などの活動が出来なくなったり、競争力も落ちて学力低下も危惧される。
 そういう面では、統合して、スクールバスを活用すれば解決するのだが、学校が無くなる地域の住民は、それを機会に過疎化が加速することを心配する。
 実際に、統合された地区の住民が、雪崩を打つように市街地の近くに移住している実態がある。
 更に、問題なのが廃校となった校舎の処置。
条件が合えば、民間に払い下げができるが、そうでない場合は、更に解体費用が必要となる。
 市町村合併の場合は、結構新しい校舎があっても、場所的な条件次第では、新しい方を廃校とする場合も多い。
 勉強をする環境としては、市街地よりも、少し山間部の緑地の方が健康や安全にもいいと思うのだが、やはり現実的には便利さを優先しているようだ。将来に禍根を残さぬよう、学校の場所を選ぶにも、地域の設計図は、局所だけでなく、全体の地形を考えて決めるべきだ。

 小中学校が少なくなるということは、つまり、その後の高校や大学も、今の数は過剰になってくるはず。一長一短あると思うが、近年は、高校大学も私立を好む傾向があるので、公立の方が早めに対応を迫られることになるのではないか。勿論、私立も人気が無いと、生徒数不足による経営危機に陥る可能性は高い。
 これからは、私立であれば、生徒数を補うために、授業の方法や時間を工夫して、社会人や、退職後の人を受け入れたらいいのではないかと思う。

 このような学校の統廃合を決めるのが、小中学校の場合は、その市町村の教育委員会。
県立高校であれば、その県の教育委員会。国立の高校や大学は、文部省だろうか。
 市町村の教育委員会は、基本的に5人の教育委員で構成され、その内1人は、教育委員長として常勤の立場、他の教育委員4人は委嘱されたボランティアとなる。
 更に、事務局に教育長として、殆どがその市町村の校長を退任した教育者を選任している。
これはつい先日聞いたばかりだが、八女市の場合は、委員会の中に5つの部会があり、学校教育や教育関係の人事は元より、文化活動やスポーツ活動、文化財保護なども役割らしい。
 教育委員は、従来、殆どが教師退職者だったらしいが、思想思考が片寄りがちと言うことから、PTA関係者や民間有識者などの、俗に言う実社会の識氏や庶民感覚を持つ知名人なども加えるようになってきているとのことだから、よく言われる「先生村社会」に偏よらないためにも、いい傾向だと思う。

 全く別の話だが、今日はどこかの市長の部下に対する暴言のニュースが出ていたが、2年近くも前の内輪話を、それも選挙直前に発表するなんて、暴露する方の意図も見え見えだし、それを大々的に取り上げて、経緯も調べずにニュースにするマスコミも情けない。
 日本は、本当に部下にも生徒にも優しく、優しくという、軟な国になってしまった。

 

 - 信念, 社会

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