鶴の一声

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557 ハロウィン

   

 今、ネット上には、盛んにハロウィンの仮装をした画像やパーティの映像がアップされている。日本で、このようにハロウィンで燥ぐようになったのは、いつからだろう。
 恐らく、まだここ20年内のことだろう。
 日本人は、何でも他国のものを取り入れて、自分たちの都合に合わせて利用するのが得意な人種のようで、アメリカから渡った車も、得意の精度で世界一の自動車立国にしてしまった。

 モノだけでなく、クリスマスのような宗教儀式も、仏教国にも関わらず、完全に日本の大きなイベントになっている。そして、バレンタインデー、3番目のビックイベントになりつつあるのがハロウィン。

 クリスマスは、キリストの誕生日と言うのは、日本人でも知れ渡っている。
バレンタインデーは、女性が男性に愛を告白する日だという事になっているが、本来は、これも宗教的な祭日で、ローマ3世紀の頃、時の皇帝が軍強策として、兵士の結婚を禁止した。これに反対したキリスト教のバレンタイン司祭が皇帝の怒りにふれ、殺された日が西暦270年の2月14日。
 この記念日に、若者たちが恋人に愛を告白したり、プレゼントをするようななったのが始まりと言われている。それが今は、チョコレートが定番となっている。

 では、ハロウィンの意味を知っていて、お祭りしている日本人はどれだけいるのだろう。
実は、私もハロウィンが日本に取り入れられた当時は、カボチャの登場で、収穫祭のお祭りだと思っていた。
 しかし、何であんな仮装をするのかと、ハロウィンのことを調べてみると、全く違った起源だった。

 ハロウィンの発端は、2000年も前に西欧に住んでいたケルト人が、毎年10月31日に行っていた先祖を祀るサウイン祭というのが始まりで、カトリック教徒が、ケルト民族を政略併合した後、カトリック教で行っていた11月1日の聖人を祀る日と融合して、ハロウィン祭の元が出来たらしい。
 宗教的には、故人の魂を祭る前夜祭という位置づけで、その語源は、聖人をハローと呼び、その前夜祭は、クリスマスと同じく、イブと呼ぶ。その、ハローイブがなまってハロウィンとなったということ。
 では、何故あのように怖い仮装をするのかというと、故人が、黄泉の国から、家族を訪れる時に、一緒に悪霊や魔女がついてきて、作物を荒したり、子供をさらったりするので、それを防ぐために、大人から子供まで、恐ろしい仮装をして、その悪霊や魔女から逃れたり、追い払う目的だということ。
 だから、本来、あの仮装は、人を脅かすためではなく、悪霊悪魔向けの仮装なのだ。

 クリスマスや、ハロウィンと、外国の宗教の祭りは盛んに行われるようになったのに、お釈迦様祭などの、本来の仏教の祭りが消えてしまったのは何故だろう。
 かと言って、みんながキリスト教に宗教変えした訳でもない。

 キリストさんの伝説より、実在した人の悟りを教え伝えた仏教の教えの方が、よほど信頼性があるような気がするが、キリスト教が話しかけの教義になっているのに対し、仏教は漢字言葉が一般的でなく、難解なのが浸透しない理由ではないかと思っている。

 キリスト教の聖書では、書いてある言葉が、ちよっと古典的だが、そのまま読み取れる言葉なので、小学生でも読み取れる。教会も地域親睦の場。
 しかし、仏教の教本の南無妙法蓮華経を代表とする漢字の羅列は、余程仏教を学んだ人以外は、何のことか、さっぱり分からないのが普通だろう。
 本当は、こども向けに、普通の言葉に直したものを普及させておけば、こんなに仏教が寂れることはなかったのではないかと思うが、現代のように、宗教の自由や無宗教時代では、仏教だけを教えることが出来なくなっている。ちょっと手遅れ。あとは、お寺さんの務め。

 - 信念, 社会

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