鶴の一声

靏繁樹が日々考えたことや思いついたことを徒然とかきます

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世話役

   

 世の中には、昔から世話役という人がいる。
通常、世話をするというのは、無償で人のために動いたり、話を纏めたりすること。
 代表的なのは、昔からいる仲立ちさん、今は仲人さん。
人と人の間に立って、縁談を纏める人で、昔は必ず、結婚式に付き物だったが、現代は仲人抜きが多いようだ。
 現代で、世話役の一般的なものに、PTAの役員さん、行政区の世話人さん、交通指導員、少年補導員、民生委員、その他、無償に近い僅かな手当で世話している教育委員、農業委員、消防委員、保護司など。地方には、宮総代や門徒代表などという世話役もある。
 また、公的でなくても、業界や趣味の会の役員。

 退職後や自営業でも、それなりに大変だが、現役の勤め人だと、相当大変。
せっかくの休みや、会社が終わって、ゆっくりしたい時間に動かなければならないのが実状。
 中には、家族や、自分のやりたいことを犠牲にしてやらなければならないし、さまざまな障害もある。
 苦手なのに、人の前で話したり、人を説得したり、文章を練ったり、何かの行事や大会を企画すれば、それを成すための重圧による悩みも多いと思う。

 地区などでは、順番でやることもあるようだが、多くの場合、こういう世話役を頼まれる人は、ほとんど決まっており、頼まれる人は、何役も何度も頼まれるし、頼まれない人は、ほとんど世話をしないで一生を終わることになる。
 じゃ、頼まれない人が得で、頼まれて苦労する人が損なのかというと、そうでもない。
世話を頼まれるという事は、やはり、その人が周囲から信頼を得ているということの証。
「あの人に頼めば何とかしてくれる。あの人なら頑張ってくれる。あの人は信用できる」
「あの人は当てにならない。あの人に任せたら纏まるものも、纏まらない」

 人から、信用されるということは「仁義信徳」を備えている証。
そうでなくても、人の信頼を得ることは素晴らしいことであり、人や地域、または業界や団体の世話をすることで、人は大きく成長する。
 わざわざ、人生塾に行かなくても、物事を考えたり、悩んだりしながら、人前で話したり、解決の方法を考えたり、自ずと、へんな勉強会以上の勉強を積んでいくことになる。
 当初は、人が良いというだけで頼まれた人が、その経験を経て、数年後には見違えるように堂々と、多くの人の前で話したり、貫禄がついてきた人を何度も見てきた。
 もちろん、その人の子供も、部下も、その姿を目にするはず。
だから、世話役は損ではなく得(徳)なのだ。
 
 地方議員も国会議員も、この世話人の代表的なものの筈なのだが、報酬は確かに成長したようだが、その割には、肝心の信用信頼、仁徳に乏しくみえるのは、恐らくは、殆どの議員はしっかり世話役として頑張っていて、一部の不埒な議員だけが目立っているのだろう。
そう信じたい。そう信じがたい。そう信じたい。笑

 - 信念, 政治経済, 社会

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