鶴の一声

靏繁樹が日々考えたことや思いついたことを徒然とかきます

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為替相場

   

海外に行くと、現地のお金と換金する。
その年、その月、その日によって換金率が違う。為替相場だ。
 この為替相場、つまり変動相場制というものは、当たり前になっているが、かなり不合理も多い。
我々の業界も、この仕組みのせいで多くの仲間が倒産または廃業に追い込まれた。
 昭和47年だったか、当時1ドル360円の固定為替だったものが、変動相場制に移行した途端、円は急上昇し、瞬く間に200円台になった。
 簡単に言うと、今まで1万ドルで海外に輸出して360万円を得ていたものが、急に200万円しか貰えなくなった訳で45%も利益が減少するのだから、通常10%程度の利益しか得ていない企業が赤字に転落するのは当然。
 それではと、商品を45%も値上げすれば競合する国に、市場を奪われてしまう。
これは、今までと変わらず、一生懸命に商品を作って、何も落ち度がないのに、自分の力の及ばない変化で、一瞬にして会社が潰れてしまうという、何とも不合理な現象だ。
 確かに、それでも日本は、持ち前の勤勉さと努力で、その窮地を乗り越え、更に発展してきた。その原動力となったのは、戦争と敗戦を経験した現在80歳から100歳前後の日本人だ。

 それが、あの暗黒の3年前には、何と80円を切ったのだから、省資源、加工輸出国の日本が低迷するのは当然。
おまけに、円が高ければ、海外からは、日本に対してドル価格で安く輸出できるから、日本の製品より格段に安く入ってくる。当然日本はデフレになる。
 日本国民は、円高だから安く海外に行けるが、その勤務先は散々な状況。今は正にその逆の現象が起きている。
確かに、日本は1ドル360円という為替で守られ、復活した。今の後進国も同じように、その為替によって発展してきたのは確かだから合理的な面もある。
 自分達が、どんなに努力しても、一瞬でそれを無にするものが世の中にはいくつかある。
相手由来の交通事故・台風や地震などの自然災害。
しかし、為替相場や原油相場は、人が造りだしたものである。まして、財力のある人の欲に因ってそれが操作されることもある。
人は今までも知恵を出して、制度の負の面を改善してきたのだから、この不合理な問題も解決方法はないのだろうか。

 - 政治経済

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