鶴の一声

靏繁樹が日々考えたことや思いついたことを徒然とかきます

*

北方領土

   

 今週の一番のニュースは、安倍さんとプーチンさんの会談。
日本は、北方領土返還の切り口と期待していたが、そう簡単ではない。
 日本国民からすると、戦争で奪われた日本の領土だから、そろそろ返して欲しい。返すべきではないかと言いたいところだろうが、ロシアだけが悪者ではない。
 長い歴史の中で、国同士が土地を奪い合ってきた。
古くは、ローマ帝国、蒙古から始まったチンギスカンの広大な帝国。考えてみれば、アメリカだって原住民族からあの土地を奪い取ったようなものだし、その後もメキシコだった領土を占領して我が物にしてしまった。
 だから、アメリカの西岸南部には、メキシコがなずけた都市名が多く残る。
そのメキシコも、スペイン人がインディオから奪い取った国。

 日本だって同じことをやってきた。
韓国を日本の属国にし、中国の遼寧省に進出して、満州国を作った。恐らく、日本が戦争に負けていなかったら、韓国も満州も台湾も、それぞれの国に戻してはいなかったはず。
 それを、日本だけが当然のごとく戻せと主張しているのは、世界から見てどう思われるだろう。
奪われた経緯は納得できない状況だったかもしれないが、それはそういう時代だったのだから、やはり返還を望むなら、それ相当の見返りを言われても仕方のないことではないかと思う。
 日本人は、特に土地に執着する国民らしい。
それが、日本人の国民性であり、島国日本の特性、望郷心。愛国心は薄れているようだし。。。

 南国、九州の人間からすると、なぜ、あんなに寒いところに帰りたいと思うのか、解せないところもあるが、それは簡単に割り切れるものではないのだろう。不便でも山の中がいいと言う人もいる。
 北方領土の場合、これからもう一度移住したいというより、生活していたところに一度帰ってみたい。行ってみたいという気持ちが強いのではないか。漁業にしても、当時住んでいた人たちは、すでに高齢でリタイヤしているわけで、その子孫は本土での新たな生活に馴染んでいると思われる。
 心情優先で、あまり1点に執着して、大きな代償を払うことは国の政治としてはどうなのだろう。
北と南、確かに一番戦争で被害を受けた地。まだ、戦後なのか。

 - 政治経済

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