鶴の一声

靏繁樹が日々考えたことや思いついたことを徒然とかきます

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再編の裏側

   

 今朝の新聞に、原油安によって、業界再編が進んでいる記事が載っていた。
近隣のガソリンスタンドも、10年前からは激減したが、元卸と呼ばれるシェルや出光などの大手も、大が小を吸収したり、元気な小が弱った大を買収するなどで、グループ化が進んでいるようだ。
 日本の高度成長期の後のように、ずっとその先も順調だと思い込み、危機感が乏しく、急に悪化した時の備えが出来ていなかったところが窮地に陥ることになったわけだ。
 私は、当社の40年間で会社の浮沈をしっかり見せられてきたから、調子のいい時は、悪くなった時のための準備と蓄えをしておくということを思い知っている。

 殆どは、小企業が大企業に吸収されたり、グループ傘下に入ったりする場合が多いが、これは石油業界に限らず、銀行や我々食品業界でもよくあること。
 例えば、焼き肉チェーンの「牛角」や回転寿司の「かっぱ寿司」が外資傘下だと言うことはあまり知られていない。
今や、資本主義の名の下に、外資だろうが国内資本だろうが、国外関係なくそういうことが起きている。

 小企業が、有数の大企業の傘下に入ると、その会社の役員社員は、倒産の心配がない、待遇が良くなるかもしれないと安心するかも知れないが、必ず物事には裏表がある。
 私の同業者の例を見てもわかるが、吸収された小企業は、当然だろうが今までのようには行かない。
それまでのように、その会社で判断して運営することができなくなり、大胆な合理化も進められる。特に、傘下に入った大企業が異業種の場合、それまで認容された会社を取り巻く特殊な事情など、理解されない。
 どうしても黒字化できない場合は、事業閉鎖されることも珍しくもない。そして、幹部は、親企業と社員の板挟みになって苦しむ。
 ただ、経営者や経営幹部は、自分たちが独自に経営できなかったのだから、止むおえない。
敢えて、我慢して残るか、それが嫌なら会社を辞めるか。それが、平常時は高給と肩書を得る役員であり管理職なのだから。

 世間では、会社を自分で起こして大きくした人が注目されるが、どちらが大変かと言うと、自分の意志で、好きな仕事で起業するより、勤めていた会社で経営を任せられ、限られた条件の中で、落ち込んでいる会社を健全な会社にして後継に渡すほうが、大変ではないかと思う。なぜなら、引き継いだ時点から、ある程度の束縛と望まない借金や人材などのマイナス条件が付いている。
 ゼロから始めるのは案外出来るが、マイナスから始めるのは数倍の努力が必要だ。

 - 政治経済, 社会, 経営

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