鶴の一声

靏繁樹が日々考えたことや思いついたことを徒然とかきます

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838 2020市長選挙分析

   

地元、八女市長選挙から、丁度1か月が過ぎた。結果は、現職三田村市長が予想外の15779票。元県議野田氏が8377票、元市議の石橋氏が健闘して6317票という結果だった。投票率も60%近くで、三田村市長の圧勝と言う形となった。

今回の選挙は、長期政権で高齢を理由に、野田さんが県議の座を捨てて挑んだという構図。それに、若返りを図ろうと言う自民若手が、その漁夫の利を狙って手を挙げたという選挙だった。私は三田村氏、野田氏共によく知っており、なかなか立場上も表立った応援はできなかったが、あくまでも、これから4年の市政に一番ふさわしい候補者に票を投じた。

さて、今回の勝敗を決めた要因はどこにあるのだろう。まず、現職の勝因についてだが、本来、選挙にマイナスだったはずの2つのマイナス点。1つは長期政権で高齢であること。もう一つが任期途中に大病を患い、長期に市長不在と言う状況を作ってしまったこと。ところが、長期政権というマイナス要因は、このコロナで混沌とした時代には、それが自民党系ということで、財政の乏しい八女市に、国からのいろんな補助金やインフラ整備、教育充実成果を持たらした実績もあり、安心感を与える結果となった。病気については、再起不能だろうと言われた難病に打ち勝ち、心身の健康を取り戻したことで、もう1期なら行けるという感じを与えたし、1期だけで引退すると表明したことも大きい勝因となった。

一方の野田氏は、女性の希望の星として健闘したが、選挙手法に於いて大きな敗因を作ってしまった。これは、選挙民からの意見の総括だが、まず、選挙告示前に、立憲民主党としての立場を利用して、選挙区を個人名を連呼して回ったこと。この時点で、野田氏と立憲県議連の関係悪化が新聞で広報されていたし、選挙民からは不公平だと言う意見や、警察に文句言う人まで出ていたと言う。

2つ目は、公約に、公共投資などの凍結や延期を謳ったが、八女市のような地域社会や、建設土木業の多い地域には、業種のすそ野が広いだけに、死活問題と捉える人もいる。何より、中央にパイプの無い野田氏が市長になった場合、国からの財政支援が途絶えるという心配が市中にながれていた。最後が、選挙後半に「助けてください」を必死な声で連呼して回ったこと。自分の意志を告げず、ただ、「助けてください」では、助けてもらうはずの住民は、とても心細くなる。これは想定以上にマイナスとなって票が直前で逃げたと言われている。

やはり、選挙は、運動手法に対する反応を見ながら、そして分析しながら、より効果的な運動方法に切り替えて行くことが大事。告示の時点では、ほぼ、選挙民の意志は固まっている。それを覆すのには、地道だが小さな集会でも、演説で訴える以外にない。100人が変われば、200票の効果がある。

石橋氏は、よく健闘したほうだろう。おそらく反三田村票を野田氏と分け合った部分もあり、前述の選挙後半の手法で、野田氏から石橋氏に代わった票が2000票くらいあるのではないか。また、女性市長ということで得られるはずの女性票や若者票も、選挙手法による嫌気で、3000票くらい現職に戻ったとすれば、それを計算すると、当初予想の2人が激戦と言う得票数、三田村氏12700票、野田氏13300票となっていたかも知れない。

選挙が終われば敗者は4年間はただの人。その中で、また庶民感覚を身に着けたり、進路を考えたりするのも、長い人生、いいだろう。とにかく、アメリカの大統領選挙と違い、勝敗が決まった翌日から、支障なく政務者が政務に当たれることがいい(笑)。市長には、今後4年間の中で、三田村市政最後の仕上げと共に市政を担う適任者を傍において、後継者として即戦力になるよう育ててもらいたいものだ。

 - 雑記

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